text by charlie
2002年8月11日 SQ901便でシンガポールを目指す。福岡からはやっぱり近く感じる。
赤道直下のシンガポールではトランジット時間が6時間ほどあるため、前から気になっていたFREE
TOURに参加してみた。
空港が主催しているみたいだが、要するにバスに乗って市街地を見て回り、ビーチでちょっと一休みして空港に戻るというものである。本当はunderwater
worldも行きたかったがさすがに時間がなかった。ビーチバレーがやたらと盛んで盛り上がっていたのが印象的だったな。ここは暑い国だ。
SQ297便に乗り換えて一路クライストチャーチへ。割と長いフライトだったがよく眠れてあまり疲れなかった。着陸時には冠雪した山並みが見えてなかなか気分を盛り上げてくれた。しかし、空港のある平野部は雪はなく割と暖かい感じだった。
札幌からの合流組を待つ間、暇なのでまずは南極センターに行ってみる。空港から歩いても行けるのだが、面倒なのでRED
BUSに乗って1ドル払って行った。雪上車みたいなのがおいてあってなかなか雰囲気がある。
館内では、南極体験みたいなのが出来る。防寒着を着て巨大冷凍庫に入って扇風機に当たるというかなりマゾ的なやつである。物好きなcharlieも早速やってみたが、結構寒かった。
そこからはさらにRED BUSを乗り継いで市街地に出てみた。カセドラルスクエアをいう市街地に降りると、気持ちのよい日差しに少しめまいを感じた。たぶん学生達だと思うが、みんな思い思いに話をしたり、大道芸をやったりしていて和やかな雰囲気がある。看板には多くの日本語が目につくし多くの日本語を聞くことが出来る。クライストチャーチはイギリス以外で最もイギリスらしい街らしく、言われてみればそんなもんかなぁという気にはなった。
スクエアの一角にはカセドラル大聖堂がそびえ立っている。クライストチャーチのシンボルで、いかにもヨーロッパって感じの大聖堂だ。本来あまりこういうことには興味のないcharlieだが、暇に任せて入ってみてビックリ。礼拝堂の荘厳さに圧倒されてしまった。もしかして目覚めたかも・・・。高さが63mの尖塔があり、ついでなので螺旋階段をぐるぐる展望台まで登ってみた。なかなか良い景色である。
それにしてもたったこれだけで脚が・・・・ヤバイ。
荘厳
スクエア西側にはSouthern Encounterという水族館があって、これもチェックしてみた。規模としてはしけしけレベルだが、ブラウンやレインボーを見るだけでも価値はあった。
街のカフェでカプチーノなぞ・・・
夕方、空港で札幌組と合流。車を借りて一気に南下を開始する。サーモンで有名なRAKAIA RIVERを越えて、ASHBURTONまで向かう。目的はアルコール購入のためである。地図を見ると結構街の名前がたくさん書いてあって都会風なのだが、実際行ってみると家が数件といった具合なので、買い出しはとても重要なのだ。
とりあえずはビールとワインを購入して一安心。内陸へ向かう。Mount Somersからはさらに寂しい道になり、すれ違う車もない。あたりは真っ暗で何があるのかさえわからない。Lake
Clearwaterあたりからは道も砂利で、何一つ明かりがない。
それから約20キロほど走ると目指す明かりが見えてくる。今回のメインディッシュのMt
Potts Lodgeである。
すでに夜8時をまわっていたので、早速遅れた食事を取ることとなった。メニューはあちらが出すものだから日本で言えば民宿みたいな感じかな。若い妻が料理を作り、さらに若いレディが配膳している。味的にはあまり日本人には合わないと思ったが、そんなことはどうでもいい来る途中から降っている雨が明日のコンディションの良さを保証しているかのようだった。
北海道から考えると雨なんてって思うかもしれないが、NZは日本に比べると冬は暖かく夏は涼しい、つまり安定した気候らしい。
ということは、冬でもほとんど平地に雪が積もることはないらしいのだ。だから、平地で雨って事は山では雪だって事らしい。しかし、そうなれば湿雪かなーーーって思ってしまうよな・・・・。
ロッジにはすでに多くの客が泊まっていて、ドミトリーに泊まっている人や、キャンパーバンに泊まっている人など様々である。キャットは14人乗りなのに、客は自分たちも入れると20人ほどに見える。聞くと今年からへりサービスもやっているとのことである。一組はサロモンのフィルミングチームであった。
時差は日本と3時間あるので、ビールをかっくらってさっさと就寝。
しかし、夜中にはかなりの雨音で目が覚めた。
翌朝起きてみると地面にはうっすらとシャーベット状の雪が載っていた。しかも、視界は相当悪く山も見えない。ということで速攻キャンセルとなってしまった。あ〜あ〜。(・_・、)
ドミトリー棟
昨日は夜に到着したため周囲は何もわからなかったが、じつは雪をかぶった山々に囲まれた幅の広い渓谷にある牧場地帯であった。
ここにいてもする事はないので、とりあえず滑ってみましょうということになり、Mt Huttへ。ガードレールのないマウンテンロードを結構登るんだよね。道は砂利道で雪は積もってない。標高2075mあるらしく結構景色はよい。
駐車場に着くとベチョベチョのシャーベット雪とどろどろの水たまりで汚いことこの上ない。しかし、周囲の人たちはものともせずサッサと用意してゲレンデへ向かっている。あーーー履き替えるだけで靴が汚くなる。気分悪う〜。
とりあえず1日券68ドルをゲット。午後券の時間まで待つのも嫌だししょうがないよね。海外のリフト券には日本みたいな1回券というのが存在しないもんね。しかし、68ドルも払わせておいて肝心のクワッドは動いていない。おいおいTバーだけかよ。
charlie的にはTバーは苦手で、ニセコでもロープトウはあまり使わないのに・・・・。北欧で少し練習していたのでまあ何とかクリア。しかし、バーが当たるところが痛くて何回もは乗る気にならないのが本音です。下から2本分だけがオープンしているのでとりあえずその辺を滑ってみる。slasher初滑りだ。とりゃーーーー!!
ところがである。たっぷり湿った雪はものすごいブレーキがかかるんだ。人が蹴散らしたバーンは問題ないがゲレンデ脇の面ツルバーンでは急激に失速してしまう。前につんのめって転倒しそうだ。そういう状況なので数本滑るともういいやって感じになって早々と終了してしまいました。
それと、滑っている人の半分くらいは日本人でした。メジャーなのね。
slasher初おろしは、いけてないMt Huttとなりました
キーアという鳥だが車や持ち物にやたら悪さをする
スキー場下部からRakaia Gorge方面を見下ろす
Rakaia Gorgeに寄ってみた。
深く重い流れ・・・なぜか天塩川を思い出す
やっぱり釣りの国だ
帰りにMethvenに寄ったのだが、なぜかばったり釣り友人に会ってしまった。世界は狭いかも・・・。
Pottsにもどり、あまり美味しくない夕飯を食べて、数日ぶりのシャワーを浴び、明日の好天を祈って就寝。
8月14日 朝から天気は晴れている。ここ4日はヘリは飛んでないので、行けさえすれば面ツルでいい条件なのはわかっている。しかし、風が強そうだ。手前のピークからはかなりの雪煙が飛んでいるのが見える。宿側も飛ばしたいのだろう。なかなかゴーサインが出ないまま時間が経過していく。そして9時半頃、ついに判断がなされた。「キャンセル」だと。
あ〜あ〜・・・。悲しいなぁ・・・・。今回のメインディッシュは不成功に終わりました・・・・・・。
晴れてるんだけどなぁ ここは我々の泊まった小屋
右手の山がPotts
仕方ないので今日はARTHUR'S PASS方面へ向かうことになった。Rakaia Gorgeを越えて田舎道を飛ばしていく。
でも放牧の家畜は道路を横切る
まさにNZ
とりあえずは滑っておきたいので、一番手前にあるPORTER HEIGHTSというスキー場に行ってみた。Tバー3本のスキー場である。下はしゃりしゃりのシャーベットで上はカリカリのアイスバーンである。
ピークからの眺望はよいのだ
下は初心者もかなり多くムービング林間状態である。飛び系の若者も結構多いがなぜか面ツル部分は結構残っていた。そこそこ蹴っ飛ばして楽しんだよ。
rider:tsukahara
雪少ないでしょ?
薄ーーーいシャーベットを蹴散らす
ついでに岩にも乗り上げる
Tバーばかりで尻が痛い
夜Pottsに戻ると、サロモンチームは退散していた。いつ飛ぶかわからないもんね・・・・。
8月15日 快晴、風もない。今日は飛ぶらしい。予約している人たちはいそいそと準備を始めている。自然相手だから仕方がないけどなんか悔しいなぁ・・・。
飛び立つヘリを指をくわえて眺める
仕方ない・・・気を取り直して南へ向かう。GERALDINE、Fairlieと過ぎていく。
NZではガソリンのことをPetrolって言うんだよ
借りた車はエスティマの新型プレビア
テカポ湖を過ぎてプカキ湖へ。
向こう側にうっすら見えるのがマウントクック
結構難しい山らしい
ここは観光名所らしく多くの観光客が大型バスで乗りつけてくる。日本食レストランも充実していて、サーモン丼とアボガドサーモン巻きを食べたけど美味かったっす。
ここから80号線に入れば、マウントクックへ向かえるのだ。いつか行ってみたいものだ。
Twizel、Omaramaと過ぎ、Tarrasから右折してWANAKAへ。
ここでセバスチャンことTsukahara氏の友人Jock宅を訪問した。Clutha Riverの近くの牧場に建ついい感じの家だ。お茶などいただきつつ色々話していると、近くに新しいヘリ会社が出来たとのこと。他のところより安いらしいので一応チェックって感じで聞いておいた。
日も傾いてきたので急いで南下する。CARDRONAからの帰りと思われる車がかなり多く見受けられた。雪はどうなんだろう・・・。
めちゃくちゃ格好いい山リマーカブルズが夕日に染まる
やっと着いたぞ!!QUEENSTOWN!!ざっと450qのドライブであった。
女王様にふさわしい街だけあって本当に美しい。荘厳な山々に囲まれてワカティプ湖が魅惑的な光を放っている。
なんかいいことありそう。
どうやらCORONET PEAKは数日前の雨でズタズタの状態とのこと。スキー場に行くならREMARKABLESに行った方が良さそうである。NZはもともと温暖な気候で、夏は日本より涼しく冬は日本より暖かいそうである。しかし、それにしてもとてもパウダーにありつけそうな感じはしないと思っていたのはcharlieだけだろうか。
せっかくここまで来たのでサザンレイクスというヘリ会社に行ってみた。今日は飛んでいるとのことで明日明後日も空きはあるらしい。とりあえずパンフレットをもらって帰る。
夕食は禁断の中華料理を頂きなかなか満足できた。困ったときの中華はどこに行ってもまあまあいける。
8月16日 ザンザン悩んだあげく、Jockが紹介してくれたヘリ会社を利用することにした。Makaroraに向かう途中の牧場にその会社はある。なんだか牧場の倉庫にヘリがおいてあるって感じのところで、バリバリの雪山ガイドという雰囲気は伝わってこない。パイロットはハービー、ガイドはサイモンとハーリーである。ブリーフィングが始まると彼らがしっかりしていることがよくわかった。トランシーバー(ビーコン)の説明は適当だったけど・・・・。
実はリップカールの撮影をしたヘリだったようだ。
側面に書いてあるリップカールのロゴが見えるかな・・・。
ここから飛び立つんだよ。冬山の格好でここにいるのが妙といえば妙かも・・・
目的地はYOUNG RANGEの中のとあるピーク。HAWEA湖やWANAKA湖の上空を飛び、左にMt.Aspiringを眺めつつ順調に高度を高める。真ん中の尖りがMt.Aspiring
平地には雪はないが2000mを越える山々はかなりの冠雪だ。上半分だけ見ればAK的な感じもする。
ヘリが我々を頂きにおいて飛び去っていく
このシーンは結構格好いいのだ
とりあえず記念写真
下には雲海が見えるでしょ
早速ピットチェックしてみる。60pも掘ると下はカチカチの青氷である。雪はわりと安定している。ツボで踏むとすねあたりまで沈む雪質である。パックされてはいるが多分よさそう。
まずは軽く足慣らしとレベルチェックの一本。雪はとてもよい。昨日までの鬱憤を一気にはらすべく思い切り蹴散らす。踏みごたえのある雪質でちょうどよいかも。slasherも調子よい。久々なので何とも言えないが、やはりDPTから乗りかえるとクイックである。2本目同じピークからよりフォールライン寄りを一気に降りる。本当は少しハイクアップしてより高いピークの方から行きたかったのだが、上はガスってきて視界がなくなってきたため諦めた。
ここで早めの昼食。ガイド達の持ってきてくれたサンドイッチがとても美味しく感じられた。久々に雪の中でまったりした時間を過ごすことが出来た。
高度は1650mくらい
さて、ガスも抜けて3本目。今度は反対側の南斜面を狙う。南半球なので南斜面は日が当たりづらく、良い雪が残っていそうだ。
3本目に飛び立つヘリの中から写した写真
1本目2本目は左側を降りてきた
次は日陰になっている右部分を狙う
といってもこの写真よりもう少し右の緩いところだけどね
着陸地点へむかう
後ろの斜面もいけてるでしょ?
3本目4本目は雪もよく最高だった。言葉はいらない。写真でどうぞ。
rider:tsukahara
AKチックな感じがするでしょ?
rider:tsukahara photo:charlie
うーーーん快適
rider:tsukahara
rider:charlie
rider:charlie
rider:tsukahara photo:charlie
次はシークエンスでどうぞ。rider:charlie photo:tsukahara
というわけでかなり気持ちよかったですよ。
5本目はガスの抜けた北斜面でクールダウンの快適な一本。あーーーいかった。ここまで来た甲斐があったわ。
すっかりいってしまったcharlieにハービーがこれでもかときりもみ急降下を食らわしてくれてすっかり果ててしまった・・・・。
もうどうにでもしてって感じでした。
今日ヘリが出来なければ、TREBLE CONEで滑る予定にしていたけど、ヘリが出来て本当によかった。神様ありがとう!!
帰りにJockの家でゆっくりコーヒーを頂いて帰りました。街に戻ってインターネットカフェでBBSへの書き込みをして晩飯。
FishBoneという店に行って飯食ったら、本当に喉にサーモンの骨が刺さってしまった。何年ぶりだろ。
8月17日 今日はREMARKABLESで滑るつもりだったのだが、朝から雨。こんな中で滑って終わるのも嫌だったので、観光する事にした。とりあえずジェットボートに乗りたかったのだが、雨と運に見放され結局全く出来ずじまい。
「こういうときはやっぱり釣りでしょ」と思い直し、スポーツショップへ釣り竿を買いに行った。安いセットとタスマニアンデビルを購入し、昔セバスチャンが住んでいたらしいCloseBurnの近くの川がワカティプ湖に流れ込むところを攻めた。ダウンを着込んでいるがロッドを振っているとやっぱ寒い。久々に淡水の釣りもいい感じだった。なんと行っても景色は最高だもんね。
釣れないから今度は山奥の湖へ。
いつものように釣りに興じる
NZの道路にはあちこちでこのようなシステムを見かける
こうすると動物が渡らないんだと
これまたあちこちで見かけるオポッサムの死骸
結果的には坊主でした。一匹も釣れませんでした。アタリもありませんでした。冬だもんな・・・・。
ボートだと釣れるみたいだけど。
最後の晩はセバスチャンとその友人でNZ在住のかよちゃんとスポーツバーなんぞに繰り出してみました。
北欧以来のスポーツバーだ!!だんだん慣れてきたぞ。
8月18日 いよいよ帰国である。ここQUEENSTOWNから5本の飛行機に乗らねば奄美に帰れない。
まず一本目クライストチャーチまでである。いつもより寒いなぁと思いつつ飛行機へのタラップを登っていると、雪がちらほら降ってきた。今日が一番寒いじゃんよーーー。どうしてくれんねん!!
いよいよ、エンジンがかかり、さらばクイーンズタウンとなる予定だったのだが、いつまでたっても動きがない。
しばらくすると、降りてターミナルで待てと放送がかかった。スノーストームですごい風である。おいおい欠航か?
このお盆時期、ここで予定を狂わせると、3つの航空会社を乗り継ぐcharlieとしては非常にやばい。とりあえず機材はあるわけだから飛ぶことは飛びそうだけどいつになるかわからない。猶予は2時間半ってところだ。出来る努力はしてみようということで、まずシンガポール航空に電話してみるが留守電。そうか日曜日だ。日本にかけようかと思ったが、時差のせいで不可。
祈るような気持ちで天候の回復を待った。
12時過ぎに何とか飛ぶことになった。ギリギリである。チャーチに着いたのが1時過ぎ、大急ぎで空港の中を走り回りチェックイン。やたらと丁寧に荷物の重量をはかられて機内持ち込み荷物0.5s、預ける荷物3sのオーバーでチャージされそうだったけど時間がないと係員もあせっていて結局チャラになった。それにしても機内手荷物7sってのは初めて知った。これじゃジグを大量に持ち込めなくなるなぁ。
その後は順調にシンガポール、福岡、鹿児島、奄美と帰り着くことが出来た。
やっぱりここは夏です。海が眩しい。
夏場にスノーボードトリップしたのは初めてだったけど、なかなかいいもんですね。
それにニュージーランドは人も優しいし、釣りも雪も楽しめる。また、ぜひ来たいものだ。せめて3ヶ月くらいでね。