text by charlie
雪山通いも10年を超えた。いろんな山も滑った。海外も滑った。いいかげん年もとった。なにか大事なことを忘れているんじゃないだろうか?
そうだ!!日本には世界に誇る独立峰「富士山」があるじゃないか!!
これを滑らないでどうする!!
やっと重い腰を上げたcharlieは台風目前の奄美から冬装備満載で飛行機に飛び乗った。
5月10日 東京出発。中央道をスムースに流れて昼過ぎには山中湖に到着。今回はティータイムというペンションに宿を構える。朝からしとしとと降り続く雨が憂鬱な気持ちを増幅させる。山中湖に溢れるバス釣り師はお構いなしにロッドを振っていたが、富士登山を前にしたcharlieには雨は歓迎されない。夕方にかけて気温もかなり下がっている感じだ。大体5度くらい。
下見を兼ねて須走口に行ってみる。標高が上がるにつれて雨がみぞれへ、みぞれがついに雪に変わった。
だいたい1800mでこの有様だ。夏タイヤはやばい。
3合目付近で「降りれなくなるから帰りなさい」と問答無用で返されてしまった。
天気予報では明日もこの調子のようだ・・・・全くもって期待は出来ない。
5月11日 本来なら早朝から登山の予定だったのだが、昨日の状況から推測するに5合目までの道路すら封鎖されていそうな気がしたので、思い切り遅らせて6時半に出発。出発直前にブーツのストラップを留めるネジが脱落していることに気づく。諦めて右足のストラップは削除した。今年は残雪が多く富士宮口はそこからシールで行けるとの情報もあったし、天候からすると吉田方面は危険度が高いとの判断で5合目標高の一番高い富士宮口へ向かう。
標高を上げていくとものすごい雪崩道が見える。富士山には雪代という土石流の危険もあるらしい。雪代というと個人的には、春の釣りにおいて雪解けによる川の濁りに関して使うことが多かっただけに意外な感じがしたものの富士山独特の危険な登山環境を思い知らされる。
意外にも道路はウェットではあるが、凍っておらず楽に5合目に到着。以前に2度ここから夏山に入ったことがあったが、駐車場に迫る雪壁に夏の気配は全くなかった。
気温は意外と暖かい。霧雨が降り視界は100mほどか。
久々にアイゼンを装着
ソフトブーツのアイゼンだからゆるゆる感は凄いけど
危険そうならすぐ下山するって事で・・・
ゆっくりと登り始める。気温はさらに暖かいのかアイゼンに雪がからみつく。雨にもかかわらずファーストレイヤーのみで登る。全体がやたらと白く目がやばそうだった。あいにくサングラスは持ってない。雨は想定してなかったので手袋も布製しかない。まったく春山は難しいものだ。
昨日降ったと思われる雪のせいで白いままの雪があたりを覆い、美しい反面まぶしい。露出部やうっすらとしか雪をかぶっていないところも多い。板には過酷な環境のようだ。
空気が薄いのでゆっくりと高度を稼いでいく。山スキーのローカルや冬山好きの外人もいて、悪天候の割には賑やかである。約2時間半で3000mへ到達。このあたりまで来ると左からの横風が強く気温も下がり、装備的にきつくなり始めていた。ちょうど正午ということもあり今回はここまでということになる。
3000m地点からフォールライン方向
視界はイマイチ
霧雨でゴーグルも見えづらい
いよいよ滑降開始だが、例によって春のストップ雪である。フットストラップのない右足が浮きまくるのも手伝ってこけないようにするだけで精一杯な感じである。おまけに空気が薄くてかなり辛い。まじめに滑れば2ターンで息が上がる。
コーヒーフレーバーの酸素缶で元気を取り戻す
休憩を挟みながら少しずつ降りていく。高度が下がる毎に隠れキャラへのヒットが多くなる。最後には隠れ杭にもヒットしたようでスラッシャーは素敵なソールに変身できました。これは春山専用にしようかな!!
2時過ぎには無事下山。
御殿場でわさびソフトを頂く
後味がわさびなんだよなぁ・・・・
右目がかなり雪目でやられて痛みが夜まで残った。
悪天候の割にはそれなりに体験できてよかったかな。来年またチャレンジしてみようかと思うcharlieであった。
島に戻ると台風2号のうねりが炸裂していた。