text by 深雪
北海道を真っ白に染めた冬が終わりを告げ、桜の時期が目の前までやってきたが、羊蹄山にはまだまだローカル達を引きつけるたくさんの雪を蓄えていた。ドライクライムのシャツやザック、スノーシュー、久々のバックカントリーの準備だが、もっと肝心の足を忘れてるとはまったく気が付くことが無く。
朝、昨年の18号の被害で、なぎ倒された木々を横目にゴルフワゴンを走らせた。支笏湖畔で飛び出してきた蝦夷リスを、引っ掛けそうなになり、前方車を合計10台ほど追い越したセフティードライブで予定時間の10分遅れでひらふのコンビニ前に到着すると今回のみんなが集合していた。目的は羊蹄の散策ハイクって感じですかね。前日はコース内の予定だったがhayakawa氏から連絡があり羊蹄に変更されたとのことだった。
さてメンバーは、最近、すばらしい一眼レフを手に入れた、ご存知、狩太氏。彼のライフスタイルも、その範囲内ではかなり注目するに値する存在感がある。
自分のスノーボーディングをより追求する為、東京からニセコへホームを移し現在岩内(いわない)町在住の市ちゃんと、同様の後輩で一年前、東京から岩内にやってきたナルちゃん。
NFC(ニセコフリーライディングキャンプ)からの知り合いで大阪をベースに、立山やニセコを攻めていた菅原氏。一時ニセコの貸しペンションを借りて篭ったりしていた。狩太氏と大阪へ招かれた時は、2日間、自分としては訪れることはなかなかないであろう通天閣や大阪城、夜の大阪市街など「大阪バックカントリーツアー」のガイドをしていただいた。「らぅ・うぱし」(アイヌ語で深雪)というバーもやっていたがコアすぎて現在はクローズ中。今は北海道へ戻りドームハウスや太郎さんとこの建築サポートをしつつニセコへ移住予定だとか。
そして南の島へ南下予定のhayakawa夫妻とあわせ合計7名となった。羊蹄だとこのくらいの人数で入ったほうが安心かも。
肝心の天候は、3合目以上は雲に覆われているが予測では午後から雲が抜けそうかとの感じ。
さてさて倶知安コース登山口駐車場へ到着したらブーツが無い?なんと家に置いてきたみたいですね。
事前準備の良い菅原氏はクリッカーの予備ブーツをしっかり用意しており、「ブーツを貸すかい?」と、ありがたい声を掛けてくれたが、履いてきたソレルの冬靴(それもハーフモデル)で上がることにした。ブーツやバインディングについては実はクリッカー類を一度も使用した事が無く、現在でも使用している自分のブーツはフリースタイルと言う10年近く前のブーツで、軽いし柔らかいのがお気に入り。新しいギアに興味がないわけではないが「馴染んでる」ってことが変えない理由でしょうか?最近のブーツ類は特に硬い作りになったと思ってます。
自分的には足が板に乗っかって滑る感覚を目指しているつもりだ。
10時頃からハイクを始める。
入る前は、今シーズンを象徴するように雪が多かったので周りの緑も少なかったが、森の中へ入ると蝦夷松などの緑でいっぱいだ。かなり気持ちが良い。途中、クマゲラの突っついた跡が何ヶ所もある巨木をバックに写真を撮ったりしてリラックスペースですね。
この倶知安面は以前、鈴さんやとも君、ジェット君達と登りセッションした斜面だ。その時の朝も、羊蹄街道の直線を走ってると、狩太氏からTELが鳴り「どお」と声が掛かり参加。天気にも恵まれオープンバーンの途切れる9合目近くまで登り、最高のスピードとデカイターンで滑ったのを思い出した。
街でhayakawa氏やD−TAKA氏と飲んだ時などよく「あの時の、あの場所、あのラインが、あのスピードが、」など、酔っ払いのように(完全な酔っぱらいだが)何回も同じ記憶を回想し話をするのも楽しいひと時で、スノーボーディングをしていて本当に良かったと感じるひと時だ。
今回、あのオープンバーンと沢の斜面はどうなってるかなあ、なんて思いを寄せながら楽しんでいた。
しばらくすると、前にパーティーが見え、沢の入り口での休息中に追いつくと、智基氏率いるパウダーカンパニーガイドであった。あいさつと軽い会話をして沢の両側を同時進行で登りだす。
ハイク途中、左はPカンパニー
リラックスペースでいい感じ
友基氏もたぶん参加者と来ているのであろう。聞くと同じ付近まで行くようだ。
目的の位置まで登り各自準備。当然、先行チームのパウダーカンパニーに先に滑っていただく。滑りをチェックすると最初はちょっと引っかかり気味だがスピードが乗れば大丈夫そうだ。自分のシミュレーションでも雪の引っかかり具合と、スピードさえ乗ってくれれば「この足でもなんとか曲がるかな」なんて考えてた。狩太氏が写真を撮るため先に中間地点まで滑り降りる。「準備OK」とのサインのあと、われわれのチームの番となり誰が最初かなと思ったら自分の方に、「いっていいよ」との、お言葉。そんじゃ行きますかって事で「GO!」と滑る。ちょっとソールの引っ掛かりがあるが「このくらい全然OKでしょう」となんとか滑り込んだ。沢の斜度は出だしで15度くらい、ボトムは12度くらいかなって感じです。
Hayakawa氏の滑りと滑った斜面
このあと西に雲が流れ、ピークまで拝むことができた。
パウダーカンパニーは2ラウンド目をハイクしていった
。
snowboarder hayakawa
snowboarder ナルちゃん
snowboarder のりちゃん
snowboarder 市ちゃん
snowboarder 文太アニィ
オープンバーン終了のボトムに滑り込み先行チームの方たちと、MOSSの板とソレルのブーツなんてほんとクラシックスタイルだねって話をしながらみんなの滑りを見ているとほかのみなさんも調子よく滑ってきた。レディースチーム3人も市ちゃんを先頭にノリちゃん、ナルちゃんもそつなく滑ってきました。それにしても市ちゃんの滑りは安定してますね。
その後、ボーダークロス状態で林を抜け、最後は歩いて駐車場まで降り雪の中で冷やした缶ビールを一口ずつみんなで回し飲み。
最後に全員で記念写真を撮り終了。
これから狩太氏たちは、日本海の寿都町まで行き、活のカキとホタテを購入しドームハウスでBBQ大会の予定で、滑った余韻とおいしいシーフード&ビールでさぞ楽しいだろう。自分は残念ながら時間が無く次回にご期待ということで、この場所で別れることにする。
今回もいろいろなところから人か集まり楽しいセッションだった。
いつも思うのだがタイミングの合った人のみ、自由参加スタイルでセッションするのがいい感じで、印象にも残ることが多い。
南下予定のhayakawa氏もあまり予定は組んでないらしい。5年前にchalieが南下したような感じになるのだろうか?
そしていつになるかは未定だが次回のセッションにもいい滑りをしたいですね。
最後のツアーを羊蹄の懐で締めくくれたことと、今回のメンバーに感謝!